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ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

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ものすごく長くて、ありえないほど覚えられない

このタイトルに魅かれて観ようと思った映画です。

9・11同時多発テロで大好きな父親を亡くした、9歳の少年オスカー。
一年後ようやく父の部屋に入れるようになった彼は、そこで1本の鍵を見つけます。
この鍵は、父が残したメッセージかもしれない。
そう考えたオスカーは、この鍵の鍵穴を探しに、怖いものがいっぱいのNYの街へと飛び出して行きます・・・。

例によって、なんの前情報もなく観てしまい、途中、物語が9・11を題材にしていると気づいた時、正直、あまり重たい話は見たくないと思ってました。
そして、仕方がないとはいえ唯一の理解者(と思っていたであろう)父親を失った後のオスカーは、自分本位で、屁理屈屋で、わめき散らすし、ひどいことは言うし、見てて決して気分のよい少年ではなく。

それでも彼がそうなっている事情も、それがどうしようもないこともわかるだけに、なんともやりきれない気持ちだけが心にたまっていきました。

でも、この鍵が開けるはずの鍵穴を探しに、NY中を駆けずり回るうちに、彼の止まってしまった時間と、閉じてしまった世界とが少しずつ開いていきます。

鍵が入っていた封筒に書かれた「Black」の文字から、オスカーはNY中のBlackさんを探す行動に出ます。
けれど、橋が渡れない、乗り物には乗れない、人と話すのは怖い。
“ものすごくうるさい”この世界を渡るには、パニックよけにタンバリンが必要なオスカー。
調査方法も移動手段も限定されてしまいます。

そういった苦手なものを乗り越えられたのは、おばあちゃんの家の“間借り人”と行動するようになったからです。
一日に何人、ひとりにつき何分の調査、地下鉄には乗らないなどなど、彼が決めたルールも、間借り人のおじいさんの体力の限界には、譲らざるをえなくなっていく。やがてオスカーは、その間借り人が自分の本当のおじいさんじゃないかということに気づいていきます。

そして、鍵はオスカーではなく、いちばん最初に出逢ったBlackさんに必要なものでした。

失望するオスカー。

この後、彼がどうして鍵穴を探し続けなければならなかったのか、誰にも言えなかったことを告白していくのですが、それを自分の近しい人じゃなく、まったく知らない人だからこそ言えたことにも意味があったように思います。

いちばん遠い存在とのかかわりを通じて、いちばん身近でありながら、愛するがゆえに遠くなっていた家族の絆も再生されていったのではないかと。

「鍵は何かを開けるもの」

映画のどこかに、こんなセリフがありました。
オスカーが見つけた鍵穴は、彼には直接必要なものではなかったけれど、あの鍵はやっぱり何かを開けたのだと思います。

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