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若冲ミラクルワールド<命のクリエイター>

このシリーズ、もう再放送されたんですね!(5月15日)。

でもこれ一挙に放送されても、ガーッて流して観れる内容じゃないと思うんだけど。
私は1回ずつ、ゆっくり観ていこうと思います。

第2回は、「命のクリエーター  超細密画の謎 

大野智が2時間見続けたという群鶏図が詳細に紐解かれていくのですが、それより私が書きたいと思ったのは、大野さんのひと言から始まるこちらの話。

      「なんで(若冲の絵には)ムラがないのか?」

茂木健一郎さんとの対談で大野さんが発したこの疑問が、実はとても大きなテーマに繋がっていくのです!

茂木 「大野さんも、すごくこまかい絵を描きますよね」(茂木さん、知ってるんだheart
大野 「でも僕、こまかいところもあるけど、ここはまぁ適当でいいかってとこもあるので」
茂木 「みんな、自分にとって大事なことを描くんですよね」

ということは、すべてをムラなく描き込んだ若冲は、すべてが大事ということになる。

「若冲は、ものの見方が人と違う、特別だ」と、茂木さんは言います。

もともと人の脳の回路の1/3は、見ることに使っているんだそうです。
そして生き物が“生きている”ということは、動きをとおして認識しているのだと。
もうひとつ。「言葉で見ちゃうと、人はそれ以上見なくなる」とも言っていました。
確かに。そういうこと、ありますよね。

若冲があれだけ動きを感じる“生きている”絵を描けたのは、その対象を何年も見続けたからだと茂木さんは言ってます。
そこにかけられたエネルギーと時間を感じて、見た人は感動するのだと。

若冲の【すべて】は、本当にあらゆるものに向けられていくの。

私が知っていたのは鶏や、花や、一部の動物の絵。けれど、虫や魚や雪や岩。
魚でも深海にいるものから近海にいるもの、あたたかい海にいるもの、冷たい海にいるもの。
本来ならいっしょにいるのがありえないものも。
あらゆるものをひとつの画面に描いています。

そして植物や動物という一見異なる生き物を同じパターンを使って描いていると、これは現代芸術の森村泰昌さんが指摘してました。

たとえば、鶏の鶏冠の赤い部分に白い粒々を描く。同じ画面のとなりには、南天の赤い実に茶色い粒々を描く。
鶏の羽の部分の模様と、葉っぱの模様に同じパターンが入っている。

植物的なものと動物的なものの中に、同質のものをとらえて描いているのです。

誰が主役で誰が脇役かじゃなく、すべてのものが同じように大切で、かけがえのない存在ということなんだよね。

【主役がいない】ということは、群鶏図にも構図として表れています。

そこに人の目を本能的に引き付ける赤という色を点在して配置し、遠近感をなくすトリックを使って描いている。
けれど大切なのは【技法】じゃなくて、そこに込められた【意図】の方。

大野さんがこだわっていたのも、どうやって描いたかじゃなくて、なぜ描いたのかだと思うから。すごい本質的なギモンですよね~。

本質といえばもうひとつあって、分子生物学者の福岡さんという方が登場するのだけれど、この方は「若冲の絵には、命のうつろいがある」とおっしゃるのね。

たとえば、ひとつの画面に、おたまじゃくしとカエルを描く。
美しい花の一方で、枯れゆく葉っぱを描く。

生命体は必ず死ぬことが予定されている。
それが崩れ、失われるから、その場所に新たな生命が宿ることができる。
そのプロセス(時間の流れ)が、止まっている絵の中に封じ込まれている、と。

普通、花鳥画は貴族の観賞用として描かれていたものなのだそうです。
しかし若冲は仏画としての花鳥画を描いていたのではないか。

草木国土悉皆成仏(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)
  心あるもののみならず、心のないものまであらゆるものが成仏する

若冲のすべてを見る視線には、そんな心が込められていたのかもしれません。

このことをお話していた美術史家の辻さんと、大野さんとの対談もあるのですが、かなりの年の差のある2人が若冲という画家を通じて話をする。

「あなたのような若い方が、若冲に興味をもって、こうして話していることがうれしい」と、辻さんはおっしゃるわけです。

2人とも楽しそうで、ああ・・・なんか、いいなって思っちゃった。

そもそも番組の性格上、美術史家や芸術家が登場するのは、わかるんです。
でも分子生物学者や脳科学者、最新のデジタル機器を扱う、いわゆる理系の人たち。
そしてなにより、嵐というグループのリーダーで、「踊りが上手いよね」(!)なんて茂木さんに言われる大野智が、伊藤若冲という人物を通じて、こうした人々と語りあっているのがいいよね。

そこにそれぞれの専門はあるけど、境界はないというか。

好きだから。ただそれだけで、出会い、つながり、何かを紡いでいく。

若冲の絵ももちろんですが、これもすごくステキだなと、思いました。

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